避妊・去勢手術
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避妊・去勢手術について
避妊手術、去勢手術についてですが、当院では基本的に実施することを推奨していますが、メリットとデメリットをしっかりご理解いただいた上で、ご家族の方に『する、しない』の選択をして頂きたいと思っております。
獣医師として一番避けたいのは、何も知らなかった結果、防げたはずの病気になってしまい、動物や飼い主様を苦しませてしまうことです。病気になってから、去勢・避妊をしていたら、ならずに済んだ病気と知って後悔される方もおられます。
詳しくは当院獣医師に診察時にお気軽にご相談ください。
特に男の子で停留睾丸(睾丸が触れない、もしくは片方しか触れない)の場合は、高い確率でガンになりますので、手術を強くお勧めします。
手術のメリット
- 発情期のストレス、食欲不振などがなくなる
- マウンティング、攻撃性の減少
- 発情出血がなくなる、偽妊娠がなくなる
- 性ホルモン関連の生殖器の病気の予防ができる
- 望まない繁殖を防げる
去勢手術で避けられる病気
- 前立腺肥大
- 肛門周囲腺腫
- 睾丸腫瘍
- 会陰ヘルニア
避妊手術で避けられる病気
- 乳腺の病気(腫瘍、炎症など)
- 子宮の病気(腫瘍、蓄膿症など)
- 卵巣の病気(腫瘍、ホルモン過剰など)
手術のデメリット
- 手術の際の麻酔のリスク、一時的な体調不良のリスク
- 子孫を残すことができなくなる
- 肥満になりやすい
- 性ホルモンの減少により、大型犬の雌犬では尿失禁のリスクがあります。
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当院の手術の流れ
※手術は完全予約制です。
手術開始からから麻酔が醒めて安定するまで術後も獣医師、動物看護師が見守ります。
手術前日
- いつもの散歩は可能ですが、手術で体力を使うので激しい運動は禁止です。
- 夕食は夜の24時までに済ませてください。水は当日朝まで飲んでも良いです。
(手術を安全に行うために、胃の中を空にしておく必要があります)
手術当日
- 朝9時から10時までにご来院ください。
- 手術の説明をして承諾書の署名をして、お預かりします。
- 手術前の検査
身体検査(体重測定、聴診、触診、視診)
血液検査(血糖値、肝・腎・赤血球・白血球・血小板など)
(安全に手術ができるかの確認をします。)
麻酔
- 手術前投与薬(より安全に、ストレスなく麻酔、手術をするために)
- 留置針(静脈麻酔、点滴投与のための血管確保)
- 挿管(誤嚥防止・ガス麻酔濃度の正確な調節のため)
- ガス麻酔(麻酔深度の調節が容易で、安全性が高い)
- 麻酔管理(心拍・心電図・呼吸・酸素分圧管理、保温)
去勢手術(左右両精巣摘出術/男の子)
血管シーリング装置で精管と血管を閉鎖して精巣を摘出します。
術後は、術後服で傷を保護することをおすすめします。
(術後服は、エリザベスカラーがストレスになりそうなデリケートなワンちゃんにお勧めです。)
皮膚縫合…約1週間後に抜糸します。
- 抗生物質+痛み止め注射
- 夜6−7時お迎え(術後の説明)
避妊手術(子宮・卵巣全摘出術/女の子)
血管シーリング装置で血管を閉鎖して卵巣子宮を摘出します。
術後は、術後服で傷を保護することをおすすめします。
(術後服は、エリザベスカラーがストレスになりそうなデリケートなワンちゃんにお勧めです。)
手術に用いる縫合糸は溶けて体内に残らないものを使用します。
- 体の中で使用する糸…溶ける糸(合成吸収糸)を使用します(3-6ヶ月ぐらいで吸収されます)
- 皮膚縫合…約1週間後に抜糸します
- 抗生物質+痛み止め注射
- 一泊入院
手術翌日
避妊手術の場合は退院
抗生物質の内服処方(持続型抗生物質の注射の場合は必要ありません)
お迎え(術後の説明)
- 去勢手術の場合は当日の夕方6-7時にお迎えが可能です。
- 避妊手術は一泊入院が必要になります。
再診
去勢手術・避妊手術どちらも7-10日後に再診+傷チェック、抜糸を行います。